マレーシアは公共交通機関もありますが、少し郊外に行くと限られているため、車で移動する人も少なくありません。
クアラルンプール在住の私は日本の免許書をマレーシアの免許書に書き換える手続きをしてきました。実際にかかった費用や日数もあわせて紹介します。
2022年の最初の書き換え作業は大変でしたが、2024年の更新作業は割と簡単でした。
なので、マレーシアに長期で住むことを検討中の方は最初の書き換え作業を頑張って乗り越えると、長期的に快適なカーライフを楽しむことができます。
※免許取得や更新などの必要要件は変わることがあります。最新情報はJPJの公式サイトから確認してください。
マレーシアで外国人が車を運転する方法2つ
マレーシアで外国人が車を運転するには
- 日本から国際免許書を発行
- 日本の免許書をマレーシアの免許書に書き替え
2つの方法があります。
それぞれどんなメリットとデメリットがあるか考えました。
国際免許書のメリット
- 日本で即日発行され、必要な書類が少ない。
国際免許書のデメリット
- 期間が一年しかない。
- 日本への帰国か代理申請による手間と費用がかかる。
国際免許は日本での取得となり、通常時は最寄りの免許センターなどで即日で2000円から3000円ほどで入手できます。(都道府県により値段が変わります)
日本から持ってきた国際免許が1年で切れる時にコロナ禍で移動制限があり、免許の書き換えもできず、仕方なく国際免許を家族にお願いしました。委任状を書いて日本に郵送し、免許センターに行ってもらいました。コロナ禍で郵送も通常より長くかかり、免許書が届くまで約2ヶ月かかりました。
また、国際免許は有効期間が1年しかないので、毎年一時帰国をするか、家族に代理でお願いすることが前提となり、ライフスタイルによっては国際免許頼りだと不便なことがあります。
コロナの制限も解除された2022年は現地での免許書き換えに挑戦しました。
コロナ禍の2021年に国際免許書を発行したときの記録の記事です。
免許書き換えのメリット
- 期間を国際免許より長くできることがある。
- 郵送にかかる費用や時間が発生しない。
- マレーシアで手続きが完了する。
かかった費用は、大使館での翻訳費用RM80と、免許書書き換え費用RM140(私の場合2年分)、でした。書類に合計6000円ほどかかることになります。別途JPJへの交通費が必要です。
免許書き換えのデメリット
- 場所によってはJPJまでの移動時間がかかる。
- 必要な書類が多く、即日発行ではない。
日本とのやりとりは発生しないものの、マレーシアのお役所仕事は想像以上にのんびりしています。申請結果はJPJで申請した日の30日後を目安にオンラインで確認し、承認されたら再度JPJに受け取りに行く必要があります。国際免許と違って即日発行ではなく、30日よりも長くかかり、コロナ禍には半年以上待ったという話も聞きます。
実際に申請したのは2022年3月29日ですが、承認されたのは8月12日、受け取りに行ったのは9月2日でした。記事後半で承認されてからの記録を記載しています。
それでは、実際に免許切り替えのステップを紹介します。
本記事では他にもマレーシア生活に役立つ記事を紹介しています。
日本大使館で翻訳証明を入手
ますクアラルンプールにある日本大使館で翻訳証明を出してもらう必要があります。予約制になっており、アポをメールでとってから行くことになります。
参考
領事窓口に来館される方へ(予約制についてのご案内) | 在マレーシア日本国大使館
翻訳証明発行に必要だった書類
- 申請書(こちらからダウンロード)
- パスポート原本
- 日本の自動車免許書の原本・コピー
翻訳証明発行に必要だった手数料
RM80 (現金)
即日発行されず、後日できた証明を再度取りに行く必要があります。1回目の訪問の際にその場で受け取る日付を聞かれてアポを取得できます。
日本の免許証やパスポートの残りの期間が短いと切り替えができないそうなので、不安な場合はアポを取るメールで大使館に質問してから行くといいでしょう。
マレーシアでの免許書き換え申請 JPJでの必要書類
JPJで記入できる書類もありますが、私はあらかじめプリントして記入してから行きました。
JPJでの免許書き換え申請時必要書類
マレーシアでは公的機関の書類は上の写真のようにマレー語になっているので、google翻訳のカメラ機能を使うとスムーズです。
- Driving License Application Form (JPJ L1)
- Application Form Exemption Application Method 5 (Appendix B-2)
- パスポート(原本とコピー)
- VISA査証とコピー(パスポート内のページをコピー)
- 日本の運転免許書(原本とコピー)
- 大使館発行の免許書翻訳証明
- 会社発行のoffer letterまたはconfirmation letter(Employment Passの場合)
- 現住所を証明できるもの(賃貸契約書を持っていきましたが必要ありませんでした)
MM2Hなど他のビザを持つ方、駐在員の家族、マレーシア人の配偶者などの場合はこちらの大使館のページから必要書類を確認できます。
この必要書類の中に、写真と書かれていませんので、実際にJPJに着いて必要なことを知り焦りました。後で1回目の提出時の訪問の段階では必要ないことが分かりました。2回目の受け取るときに必要です。
マレーシアの滞在期間、免許の年数などどう書いていいか分からない場所は空白にして聞こうと思いましが、勝手に記載してくれたのか特に聞かれることはありませんでした。
書類チェック後、なぜ運転する必要があるか?と理由を書くよう言われました。簡単でいいので準備しておきましょう。
マレーシアでの運転で私が利用しているのがSocarです。予約から鍵の受け渡しまでアプリで完結で手軽なことが気に入っています。
JPJ(免許センター)の場所
翻訳証明ができたら、必要書類を準備してJPJへ向かいます。クアラルンプールで免許書の書き換えを行うJPJは2ヶ所あります。
Jabatan Pengangkutan Jalan, Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur
03-4145 0800
Google Maps
JPJ Negeri Selangor
03-5566 9555
Google Maps
知人から、JPJ Negeri Selangorのは日系企業の工場が周りにあり外国人に慣れていて対応がいい、と聞きました。そこで、Shah AlamにあるJPJまで行ってきました。
本ブログでは他にも海外生活に役立つ記事を紹介しています。
JPJ(免許センター)の様子
平日朝に行きました。建物の外の椅子で10分ほど待つと、呼ばれて2階のカウンターまで案内されました。整理券を配られて番号が呼ばれるまで10分ほど待ち、カウンターで書類を提出。このあと書類のチェックに1時間強待つことになりました。
そして1枚のレターのようなものを渡され、オンラインで承認状況が確認できると案内がありました。
こちらから最新状況が確認できます。
www.jpj.gov.my
承認されたことをオンラインで確認次第、承認レターをプリントして写真と費用を持って来てください、と言われて1回目の訪問は終わりました。
2022.07.01
3ヶ月経ちましたが、まだオンラインの申請は In Process と承認されていません。
あとどれくらいかかるのでしょうか;
2022.08.17
8/12にApproveされていたことが分かりました。メールによる通知もなかったのでひたすらサイトをチェックし続けるしかなく、気づかない人多そうです。
9月頭に取りに行けそうです。
JPJ 2回目の訪問 免許受け取り時の様子
免許受け取り時必要書類
写真の提出や支払いは受け取り時に行います。
- 証明写真(25mm x 32mm、白色バックグラウンドのもの)
- 手数料 RM140(2年分)
- 承認レター(のスクショ)
免許受け取り時手数料
RM140(2年分の場合)
ネットで他の日本人の方書いたブログを参考に書類を準備していると、期間を1年、3年など選ぶようになっているとのことでした。私の場合はビザの期間に合わせて自動的に2年と言われました。
2022.09.02
再びJPJまで行き、無事免許取得できました。マレーシアの一員になった気分です。並ぶ時間も3月より少なく、到着からもらえるまで1時間ほどでした。
前回受け取ったレターとAproveされたスクショを見せると、すぐに支払いを求められ、RM140(2年分)をカードで決済。すると用紙を渡され、写真と共に最後のカウンターに提出するように言われました。
パスポートを忘れたことに気づき焦りましたが、受け取る時にはいりませんでした。
そして、マレーシア人の友達によると右上の「P」マークが付いているので、日本でいう初心者マークのようなものをつけてドライブしないといけないとのこと。
日本では運転歴があっても、こちらでは新しい免許書です。
早速帰りのGrabで走りながらそのような車を見かけたので撮ってみました。
Pマークは量販店などで買えるそうです。もし、受け取った免許にマークがついていたら、Pマークを忘れて警察に捕まらないように要注意です。
ちなみに、マレーシアのレンタカーSocarを使う場合、免許の登録が必要です。
Pマークのついた免許書は、Socarでは有効とみなされず、国際免許が必要となるので、Socarの利用を考えている方は注意してください。
マレーシアでの免許のデジタル化
マレーシアでは免許証自体がデジタル化され、マレーシア人はカード式の免許証を持つのは任意になったそうです。
Digital driving licence valid only in Malaysia, physical licence still needed for use in foreign countries – Loke
管理サイト JPJ Digital Platfrom – mySIKAP Portalでアカウント作成して外国人でもオンラインでできるか試しましたが、マレーシア人のIDカード番号(MyKad)の入力が必要でできませんでした。(将来的にはできるようになるかも?)
このため、カード式の免許証が必要な人と外国人は、従来通りJPJでカード式の免許所の手続きすることになります。
マレーシアでの免許更新体験記 2024年
車に乗る頻度がそんなにないため迷いましたが、最初の入手時の手間を考えると失効するのはもったいないと考えたのと、日本で国際免許を取っても1年なので、更新することにしました。
JPJから出ている案内はこちらです。
Renewal of Competent Driving License (CDL)
ただ、実際に申請に必要だったものは少し違いました。
マレーシアでの免許更新 必要書類
2024.08.27
私自身の場合必要だったものは(代理でなく自分で行く場合)
- Original MyKad/passport of applicants(パスポート)
- Original/copy of driving license(免許所の原本とコピー)
- Application form (申込書・JPJのサイトからダウンロードする)
- Hold a valid passport (For foreigners)(パスポートなので同じ)
でした。
私はパスポート番号の変更があったので、旧パスポートのコピーもプリントアウトして盛っていきました。(原本は必要ありませんでした。)
Application formは、住所はパスポート番号など記載変更がある場合
Notification Form Amendment of Driving License Details (JPJ L7)
記載変更がない場合
Driving License Application Form (JPJ L1)
を使います。記載変更と更新はJPJ L7だけで済むので、JPJ L1と2枚提出する必要はありません。
JPJの案内に出ているけど必要なかったものは
1 color photo (white background) with dimension of 25 mm x 32 mm
わざわざ写真屋で写真を撮影していきましたが、登録しているデータ使うからいらないよ、とのことでした。
想像するに、JPJのページは免許所がデジタル化される前のままで放置されていて、デジタル化した後必要なくなったのに消すのを忘れているのかもしれません。
Googleのレビューを見ていると、役所対応なので書類不備で却下された、などもあったのでドキドキしながら、以下の資料も念のため準備していきました。
- Tenancy Agreementの住所と名前のページのコピー (住所の証明のため)
- 日本での免許のコピー
- Driving License Application Form (JPJ L1)とNotification Form Amendment of Driving License Details (JPJ L7)のプリントして記載していないもの
日本みたいに厳格にTenancy Agreementの提出とかは必要なく、実際JPJに提出したのはパスポートのコピーと申請用紙だけで、Tenancey Agreementは目視で確認されただけでした。日本の免許コピーは全く必要ありませんでした。
免許書を取得した当時は就労ビザで、現在のマレーシアデジタルノマドビザとは違う形態のビザでしたが、ビザについては厳格にチェックはされませんでした。
ノマドビザについてはこちらの記事で取得体験記を紹介しています。
免許所の有効期限は、初回と違い、希望する年数後の年の誕生日までになるようです。料金もその期間に合わせての支払いになります。
私の場合2年を希望し、2024年9月から2026年1月までとなり、費用はRM85でした。
マレーシアでの免許更新 申請場所
免許の更新は、デジタル化される前は最寄りのJPJに行けばできたそうですが、デジタル化により、例えばJPJ Petaling Jaya のような比較的小規模なJPJではカード式の免許所(や国際免許)が発行されないようです。(2024年7月16日より)
私たち外国人やカード式の免許所が必要な場合引き続きJPJ Negeri SELANGOR など申請時と同じような大規模なJPJに行く必要があります。
写真はGoogle Mapのレビューより抜粋
実は直前までこのJPJ Petaling Jayaに行こうとしていたので、このGoogleでレビューを見つけて、二度手間にならずに済みました。
JPJは午前に行かないと対応してくれない?
レビューや噂で、朝一番に行かないと対応できる枠が限られるから断られることがある、と見たことがありました。
参考:JPJの営業時間
https://www.jpj.gov.my/en/web/main-site/selangor
仕事の関係もあり、更新は午後1番の14時(火曜日)に行きましたが、枠もあったのか問題なく対応してくれました。
待ち時間もそこまでなく、14時前に到着し、14:50には免許を受け取ってJPJを出れました。
これもデジタル化の影響で、以前のように午前でないといけない、ということもなくなっていく傾向なのかと思います。
ちなみに、窓口にいるときに少し日本人からすると珍事件なことが起きました。
マレーシア人の寛容さとコミュケーション力はびっくりすることがあります。
マレーシア人とのやり取りで学んだことを体験記としてKindle出版しました。
マレーシアでの免許書き換えまとめと感想
- 免許取得には2段階のプロセスが必要
大使館に2度行き、JPJにも2度行くことになります。外国人が簡単には取得できないようになっているのだと感じました。
マレーシアのお役所対応はのんびり
前々から分かっていましたが、改めて実感しました。まず窓口で書類を渡して何も言われず30分経ったので、受け付けた人に聞くと、まだだから座ってて、との一言。こういう状態だと日本ではキレる人も出てくるかもしれません。承認を確認するレターをもらうまでも1時間以上待ちました。
みんなこのペースに慣れているので、一人でいらいらしていても意味がありません。異文化体験と思って、座ってできる他のことをしながら時間をつぶしましょう。
そして、これは2022年のデジタル化される前の様子なので、これから解消されていくと言えると思います。
- JPJではカード払いが可能
免許証を受け取っている多くの人が、クレジットカードやデビットカードで決済をしていました。日本大使館とは違い、オンライン化ができているのはいいなと思いました。
- デジタル化により更新作業も大規模なJPJへ
2024年時点では、外国人が免許を更新するときは申請時と同じくJPJ Negeri Selangorなど大規模なJPJへ行く必要がある。
マレーシアでの免許書き換え・更新 参考にしたサイト
How to convert your foreign driving license to a Malaysia one
【2021年度最新版】マレーシアで自動車運転免許を取得!切替や更新手続きを解説 | ソトシゴト 海外コールセンター就職ナビ
Renewal of Competent Driving License (CDL)
マレーシアで免許書き換えをするみなさんの手続きがスムーズに進みますように。