マレーシアでのハリラヤ(Hari Raya) 現地の友人宅でお祝いした体験記

マレーシア生活
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マレーシア人の友人の招待で、ハリラヤを家庭で祝う様子を体験しました。

ハリラヤがどのように祝われるのか、伝統的な食べ物、衣装、招待されたとき知っておきたいことなどを紹介します。

ハリラヤ(Hari Raya)とは?

ハリラヤは、マレーシアのマレー系の人々にとって大きな文化的意義を持ち、世界中のイスラム教徒が祝うEid al-Fitr(イード・アル・フィトル)というイスラム教の祝日と結びついたマレー文化の祭典です。

このお祭りは、1ヶ月のラマダン(断食月)が無事に終わったことを祝い、家族や友人、親戚全体が再会する大切な時間として機能します。

約1ヶ月前から、ショッピングモールは「Kampungカンポン(マレーシアの田舎)」風の緑色に装飾され、ノスタルジックな古い建築が調和した快適な「家」をかたどったデコレーションの中に、伝統的な衣類や菓子を売るお店が併設されます。

ハリラヤ(Hari Raya)の一般的な祝い方

ハリラヤの理解を深めるために、現地の友達から聞いた一般的なマレー人のハリラヤの祝い方を紹介します。

私の友人の家族は、北Kedahan(ケダハン)マレー系と中華系のミックスの独特の血筋の人たちでした。 

すべての家庭のお祝いが伝統に忠実というわけではないそうで、私の友達の家では個人的な宗教観により、文化としてごくカジュアルにハリラヤを祝うそうです。

今回モスクでのお祈りやお墓参りの部分と「Salam(サーラム)」の部分は私は参加しておらず、3の記念撮影の部分と食事については詳しい体験記となります。

1.ハリラヤの前日まで 故郷への帰省

日本の新年の前と同様に、特に都会で働いている人は、実家や先祖の家に帰り、親戚の家族と一緒にお祝いをします。この帰省、 「Balik kampung(バリク・カンプン)」と呼ばれます。

マレー系の夫婦の場合、まず夫の故郷に帰り、その翌日に妻の故郷に帰ります。
マレー系の家族は何世代にもわたる大家族であるのが一般的なので、ハリラヤは特に重要な家族の再会の場となります。 
ハリラヤの前夜には、家族が集まって夕食をとり、家庭料理を楽しみます。

2.ハリラヤ当日 親戚の集まり なぜお年玉をあげるの?

イスラム教徒の一日は通常、モスクでの特別なお祈りから始まり、その後、先祖に敬意を表するためにお墓参りをします。

 両親の家に帰ると、「Salam(サラーム)」という重要な儀式が行われます。

これは、若いメンバーが手を合わせ、敬意を表して年長者の手にキスをし、許しを求め、再出発の印とするものです。

「Salam(サラーム)」に続いて、年長者はラマダンの断食を終えたご褒美として「(Duit raya)ドゥイトラヤ」(緑のお金包み、日本のお年玉のようなもの)を子供たちに贈ります。

 その後、ハリラヤの盛大な祝宴が開かれます。家族が集まり、伝統料理やお菓子を食べます。

食べ物について詳しくは別の章で紹介しています。

夜になると、子供たちは爆竹や花火で遊びながらお祝いを続けます。

翌日には、親戚や友人、近所の人たちを招いて(Open House)オープンハウスを開く家庭もあります。

3.おそろいの衣装で記念撮影

今回、友達の家と、友達の叔母さんの家2軒を訪問しました。

多くのマレーシアの人たちは写真を撮ってSNSにアップするのが好きなので、友達の家族たちも記念撮影を楽しんでいました。

1軒目は友達の妹と旦那さんと子供、弟カップルと彼女のお母さんもいて、私が着いた時にはみんなでご飯を食べていました。

2軒目の叔母さんの家では、叔母さんとおじさんだけでなく、おばあさん、友達のいとことの家族もいました。
一家は以前はケダ州のAlor Setar(アロー・セタル)でお祝いをしていましたが、今はクアラルンプールに叔母さんが引っ越し、そのおばさんの家に集まるようになりました。叔母3人、叔父7人、孫28人、ひ孫25人という大家族だそうです。

友達の妹の家族たちは黄色のおそろいの衣装でした。
子供も衣装を着ているのはとても可愛らしかったです。
友達のいとこの家族は緑色の衣装でコーディネートしていました。

ハリラヤの伝統的な衣装について紹介します。

Baju Raya(バジュ・ラヤ)
ハリラヤは、新しい衣装を披露する時期でもあります。

Baju Kurung(バジュ・クルン): 女性用の伝統的な服装で、ゆったりとしたロングブラウスとスカートで構成されています。

Baju Melayuバジュ・ムラユ):男性用の伝統的な服装で、ゆったりとしたチュニックとゆったりとしたズボンで構成されています。

Songket(ソンケット): バジュ・クルンとバジュ・ムラユによく使われる、金糸や銀糸で織られた豊かな織物の名前。

Songkok(ソンコック): 男性が結婚式やお祭りなどのフォーマルな機会にかぶる円錐形の黒い帽子。

私も持っているKebayaという衣装を着ていき、家族の記念撮影に混ぜてもらいました。

ハリラヤ(Hari Raya)の食べ物

両家とも、日本のお正月に出される手の込んだおせち料理のような伝統料理を用意していました。
これらの料理は、ハリラヤのお祝いの中で重要な意味を持っているそうです。

Ketupat(ケトゥパット) :椰子の葉で丁寧に編まれた菱形の米団子で、喜びの象徴

Rendang(レンダン) :ココナッツミルクとスパイスでじっくり煮込んだ濃厚で風味豊かな肉料理

Lemang(ルマン) : 竹筒で炊いたもち米の珍味で、甘いものや香ばしいものを添えて食べる

Kuih raya(クワ・ラヤ): Kuih lapis(クワ・ラピス)やKuih kacang(クワ・カカン)といったカラフルで甘いマレー風クッキーの盛り合わせ

伝統料理は写真で見ると辛そうに見えますが、食べてみるとマイルドなものもありました。

ヤシの葉や竹などの皮に包んであるものもあり、日本でいうちまきの南国版のようなものが印象的でした。

ハリラヤ(Hari Raya)のお祝いに呼ばれたら?知っておきたいこと

マレーシアで生活していると、ハリラヤのお祭りに友達から招待されることもあります。

招待されたとき守るべきマナーはあるのか、喜ばれる訪問のコツなどを紹介していきます。

1.オープンハウス(Open House)と家族での集まりの違い

ハリラヤのシーズンには、オープンハウスという言葉もよく聞くかもしれません。

オープンハウスというのは、親戚でなくても誰でも家の中に入ってお祝いをする場です。

マレーシアの人たちはオープンで、社交的でコミュニケーションが豊かです。

今回私が呼ばれたのはオープンハウスではなく、プライベートな集まりでしたので、近所の人が家に入ってくることはありません。

ただ、友達はとてもグローバルな家ということもあり、時々外国人の友達を呼んでお祝いすることもあるそうです。

日本だと家族や親戚の集まりに友達が来るとかはあまりないかと思いますし、そもそも親戚と会う機会も減っている傾向だと思います。

招待されたら遠慮するというよりは、積極的に質問するなど、喜んで文化を楽しむ姿勢で参加するようにしましょう。

2.お土産は任意で必須ではない

日本だと、他人の家におじゃまするからには、「つまらないものですが…」とお土産を持っていくのが必須だと思います。

イスラム教のお祭りなので、ハラールの食べ物じゃなきゃだめなのか、ハラールの日本食とかがいいのか、マレー系の食べ物を持っていくか?

悩んだので、他のマレーシア人の友達に相談しました。

結論から言うと、マレーシア人はとても大らかな人が多いので、どんな物でも持って行ったら喜んでもらえるし、ただ来てくれること自体が嬉しいそうです。

持っていきたい場合には、訪問先がどれだけ敬虔なムスリムか、日本文化が好きかなどをリサーチして渡すといいでしょう。

私の場合は、子供がいるということを知っていたので、日本のお菓子をイオンで買って持っていきました。

3.招待されたけど民族衣装がない!どうすればいい?

いきなり招待されたけど、民族衣装がない!着ていかないといけない?と焦る方もいるかもしれません。

ない場合は普通の洋服で参加してももちろん問題ありません。

ドレスアップする場なので、日本らしい浴衣を持っている場合はそれを着ていっても大丈夫だそうです。

ただ、マレーシア人は外国人がマレー系の衣装を着ていると、文化を尊重している様子を見てとても喜んでくれます。

日本でいうと、ちょっとしたコスプレという感覚で、いつも見ない姿を楽しむ場かもしれません。

イオンなどのスーパーでは、とてもリーズナブルな価格で衣装が手に入りますので、時間に余裕がある場合は一つ持っておくのもいいと思います。

マレーシア人の友達に聞いた、ハリラヤのお祝いに招待された際のヒントをいくつかご紹介します。

  • 肩と膝が隠れるようなゆったりとした服装で控えめに。
  • 家に入るときは靴を脱ぐ。
  • ホストに「Selamat Hari Raya」と挨拶し、お祝いの言葉をかける。
  • ごちそうになるものは何でも少しずつでいいので食べてみる。

最も重要なことは、ハリラヤが体現する一体感、寛容さ、喜びといった温かい雰囲気をリラックスして楽しむことです。

まとめ

ハリラヤはマレーシアでのお正月に当たる一大イベント

都会から田舎に帰省し、親戚が集まって食事や交流を楽しむ

お祝いの仕方は家庭により異なる

家に招待されたら民族衣装を着ていくと喜ばれる

本記事がマレーシアでハリラヤを体験する人の参考になれば嬉しいです。

この記事を書いた人
みにさき

大学生まで海外に出たことがない、世間知らずな一人娘。

オーストラリアのパースにワーキングホリデーに行き、住み込みベビーシッターなど全くの英語環境で悪戦苦闘しながらも1年滞在。
帰国後に受けたTOEICのスコアは渡航前より300アップ。

その後は日本で英語を使用する仕事を軸に、メーカーから接客業、派遣社員からフリーランスまで幅広い仕事を経験する。

再度海外に住みたい思いが強くなり、海外就職を決意し、マレーシアへ移住。

現在はフルリモートの外資系企業で働きながら、海外就職や女性のキャリアについてブログやSNSで発信中。

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