転職をしようと色々情報収集しているけど、営業と事務や接客が多く、自分はどれでもないな、とモヤモヤしてしまいませんか?
転職を繰り返し、現在は海外在住の筆者も、過去は営業や事務、接客の仕事がむいていないと悩んでいました。
文系なので、何か技術を身につけて特化していきたいと思い、勉強したものの挫折してしまいましたが、今は営業要素のある仕事につけています。
思い切ってデスクワークじゃない仕事をしたいけど、接客業もピンとこない。
「心からしたい仕事が見つからない」「今の仕事で忍耐力しかついている気がしない」
そんな方に向けて、スキルを新たに身につけることなくモヤモヤを解消し、自分に合った働き方をみつけるヒントになればと思い、本記事を書きました。
なぜ営業・事務・接客の募集が多いのか
日本では、特に文系大学出身だと、専門的な技術や知識よりも、広い範囲の一般的な知識をつけることを重視している傾向があります。
卒業後の進路が特定の専門スキルを必要としない職種(営業、事務、人事など)に限定される場合があります。
また、戦後の高度成長期には一つの会社に勤め上げることがモデルとされる終身雇用が一般的でした。
なので、特に大企業では新卒採用でも専門的な知識を持っているよりも「ポテンシャル採用」が重視され、スペシャリストを採用するというよりも、ジェネラリストを育てる傾向があります。
営業・事務・接客に求められるスキル
文系出身者がよく就く営業・事務・接客の仕事であるジェネラリストに求められるのは「対人関係能力」や「調整能力」です。
日本の企業では、特に顧客との信頼関係を構築するために、直接的なコミュニケーションが重視されるため、営業職が重要な役割を果たします。
事務職に求められるスキルには、データ入力や文書作成ではミスを防ぐ正確性と注意力があります。また、社内外の調整や報連相(報告・連絡・相談)を円滑に行うためのコミュニケーション能力、納期を管理するためのタイムマネジメント力も場面により必要となります。さらに、Word, Excel, Powerpointなど基本的なPCスキルが必要です。
接客業に求められるスキルには顧客に分かりやすく説明し、信頼関係を築く対人コミュニケーション能力があります。顧客満足を追求し期待を超える対応を行うサービス精神や、クレーム対応や予想外の状況に冷静に対処する柔軟性と忍耐力も求められます。
営業・事務によくあるジェンダーギャップ
筆者自身も経験がありますが、特に日本の企業では高度成長期の長時間労働の背景から、業界や企業によって差はあるものの、いまでも長時間働ける体力のある男性が営業など対外的な業務をを担当し、女性が事務を担当するという傾向が残っています。
特に過去には、女性の文系出身者は全国に転勤のある「総合職」か転勤のない「一般職」を選ぶことになり、一般職を選ぶと多くの場合は事務職に配属されることがありました。改善されつつはあるものの、このような、日本の企業におけるジェンダー分業の歴史的な名残りが今でも残っていることがあります。
当ブログでは、キャリアや海外から見た日本についての記事を掲載しています。
なぜ営業・事務・接客がむいていないとモヤモヤするのか?
筆者も抱えてきた「営業も事務も向いていない」という悩みですが、以下のようなことが原因だったと、振り返って分析しています。
1.自分の得意なことが職種でいかされていない
私は転職を重ねるごとに、事務よりも営業の方が場面によっては得意をいかせることに気づきました。
例えば、外交的で初対面の人との会話が得意な人と比べていた私ですが、そのかわりに既存顧客をまめにフォローして継続的に信頼を築く方が得意なことに気づきました。
また、別の職場ではコロナ渦だったので、eメールマーケティングやオンラインでの面談を駆使して受注につなげました。対面よりもオンラインが楽だった私にはコロナは逆にやりやすかったです。
営業は自分から押すイメージがありますが、相手のことを考えて戦略を立てて優しく受注につなげることもできます。
また、BtoCでユーザーに直接する営業が向いている人、BtoBで対企業が向いている人など、新規開拓、ルートセールスなど形も様々です。
営業でもやり方が固定されていないことも業界によってはあるので、一度の経験だけで決めつけず、自分の好きで得意なのはどんな分野か分析して、違う業界に挑戦するのも一つの方法です。
2.ジェンダーギャップによる役割分担が自分に合っていない
私は、購買という仕事をしていて、突然営業事務に異動になったことがありました。
事務の仕事は正直苦手で、特に経理的な月末に数字を計算して合わせる作業に苦労しました。
送ったデータについて本社から指摘の質問があり、間違いを毎月のように訂正していたので、本当に向いていなかったと思います。
細かい作業が得意、ミスが許されないという特性が向いていませんでした。
ただ、日本の文化的な背景や、デジタル化の遅れでマニュアル作業を好む傾向から、いまだに事務的な仕事は得意不得意を問わず女性が任さられることが多いです。
私と同じように、「事務が苦手な女性」も存在し、苦手なことはだめではない、と自己否定にならなくて大丈夫です。
頑張って苦手なことを克服するのは苦しいものです。
時代は変化してきているので、今後事務的な作業や単調な作業はAIが請け負っていきますので、長期的に見ても事務が向いていない場合は早めに他の仕事にシフトするほうがいいでしょう。
3.世間や周りの「いい」に振り回されている
過去の私は、「英語を使った仕事をしたい」にこだわりすぎて、自分の適性を全く無視してしまって失敗しました。
例えば、海外経験のあるいとこが「英語を使った事務職にシフトしてキャリアチェンジすると、今後歳をとってもできるから安心だよ」と言っていたことに影響され、自分にとっては苦手な事務職で数社転々としました。
結果的にリストラになってしまい離れることになりました。
また、営業事務に異動になった仕事は一部上場企業だったので、異動は不本意だけど大手で仕事を継続できるなら社会人として受け入れるのが当たり前、という文化でした。
安定のために我慢する、ということは仕事が向いていればいいですが、結果的に今仕事をするのが辛かったらいずれは辞めることになりかねません。
何かを決めるときは、それが世間や周りの「よし」とするもので、自分の考えとはずれていないかを確認しながら決めるのがおすすめです。
当ブログでは、他にもキャリアや海外就職についての記事を掲載しています。
営業・事務・接客がむいていない人のキャリア開拓の可能性
1.自己分析し、分野や業界を変える
仕事をしているときにどんな部分が向いていて、どんな部分が向いていなかったのかを振り返って分析してみましょう。
例えば同じ営業職や接客業でも違う分野だと自分の適性がいかせるかもしれません。
2.働き方を変える
私の知人で何人か業務委託で「オンライン秘書」として働いている人がいます。
事務職が好きで得意だけど、対人関係が苦手だったのですが、オンラインに働き方を変えることでストレスフリーになれたと話しています。
また、営業についてもリモートで業務委託を行って収入を得ることも可能になりました。
職場の人間関係や対面での対応は苦手だけど、仕事自体は好きな場合は、リモート対応可能にして業務委託契約にしてもらうなど、働き方を変更すると、快適に働けるかもしれません。
3.海外就職の道を考える
私自身は場所を海外に写すことで、比較的ストレスの少ない環境で働くことができるようになりました。
まじめでフォーマルな日本を抜け出し、オープンで日本からすると「ゆるい」環境で、「完璧でなくてもいいんだ」「こんな感じでも成り立つんだ」と肩の力を抜いて生活すると、客観的に自分の行動を見ることができるようになりました。
もし海外に興味があって、好奇心旺盛な場合、海外就職も一つの可能性としてぜひ検討してみてください。外資系企業への転職体験記をKindleで発売中です。
まとめ:最初から完璧を目指さずトライアンドエラー
なぜ営業・事務・接客がむいていないとモヤモヤするのか?
1.自分の得意なことが職種でいかされていない
2.ジェンダーギャップによる役割分担が自分に合っていない
3.世間や周りの「いい」に振り回されている
営業・事務・接客がむいていない人のキャリア開拓の可能性
1.自己分析し、分野や業界を変える
2.働き方を変える
3.海外就職の道を考える
営業・事務・接客などで仕事を転々としてきた私ですが、失敗→自己分析という繰り返しをだいぶしてきました。
おかげで自分に向いていない仕事も知り、選択肢がたくさんあってもぶれが少なくなってきたと感じます。
また、海外に出たり、フリーランスで活躍する人と会うことでも視野が広がっていき、色々な可能性を柔軟に考えられるようになりました。
転職をするときは勇気がいりますが、真剣な自己分析をしながら行うことで、より良いものにしていくことは可能です。
本記事が、キャリアに迷走する方の参考になれば嬉しいです。