マレーシアの転職でビザのキャンセルに必要な手続き 【体験談】

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マレーシアに現地採用で海外就職をしたあと、マレーシア国内の仕事で転職することはごく一般的です。筆者の私もマレーシア国内での転職を経験しました。

本記事は退職してから新しい就職先で新たなビザを入手して勤務開始するまでに、時間のかかったビザのキャンセルについて、2022年の実体験の記録と調べたことの記録です。

マレーシアでは、日本のようにスピーティーに手続きが進まないこともあり、ビザについて悩む人も多いのでは?と思って記録を記事にすることにしました。

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 退職から就職までとビザについて

マレーシアで働く外国人のためのビザ(Employment Pass)は、1人に対して1つの会社からしか発行できないため、転職の際には切り替える必要があります。

そして、キャンセルする前にも必要な手続きが複数あったり、ビザの種類によってキャンセル方法が異なったりして、予想以上に時間がかかることがあります。

大まかな流れとしては、

  • 退職元での勤務終了
  • 退職元がビザをキャンセル
  • 転職先がビザを申請
  • 転職先でのビザが承認
  • 転職先で勤務開始

となります。

転職先でビザが承認されるまでは、勤務開始することができません。
オファーレターに勤務開始日が書いてあったとしても、ビザが承認されなければその日には勤務開始できないことになり、ビザ承認までは収入なしで過ごすことになります。

私の場合は12月中旬に退職し、転職先のビザが承認された2月末に働き始めました。
内定が出たのは10月下旬でしたので、マレーシア国内での転職ではビザを考慮すると転職活動開始からトータルで3,4ヶ月かかることを頭に置いて、転職の計画を立てることがおすすめです。

こちらのサイトも参考にしました。

※ビザの要件は変更になることがあります。最新の情報は会社のHRやビザエージェント、MDECやESD(Expatriate Services Division)と確認することをおすすめします。

一時帰国とリリースレターについて

退職元のビザをキャンセルするには2つ方法があります。

転職前に一旦マレーシア国外に出てキャンセルする方法と、マレーシアから出ずにリリースレターを退職元から受け取ってキャンセルする方法です。

マレーシアから出国する場合は、マレーシア出国前にタックスクリアランスが完了している必要があります。そのかわり、リリースレターは必要ありません。

マレーシア国外に出るマレーシアから出ない
リリースレター不要必要
タックスクリアランス必要不要(次年度まとめて行う)

転職が決まったら、退職元でリリースレターを発行してもらえるかどうか確認しましょう。
フォーマットは自由ではなく、決まった形式での提出が必要です。
もしリリースレターの発行ができない場合は、マレーシア国外に一旦出る必要があります。近隣のシンガポールやタイなどでもいいので、必ずしも日本への帰国でなくても問題ありません。

また、マレーシアでの仕事を退職して完全に日本に帰国する場合も、ビザのキャンセルが必要になります。
キャンセルせずに帰国してしまうと、以後マレーシアでの就職が難しくなるケースもあるようです。

当ブログでは、他にもマレーシア生活・海外生活に役立つ記事を掲載しています。

タックスクリアランスとドキッとしたこと

内定直後は一時帰国を計画していたため、Tax Clearanceを行いました。

11/5に必要書類を退職する会社のHRに聞きながらそろえてTax Officeに行き申請 。
11/24にTax Clearance Letterを受領しました。

2週間で返事があるとのことでしたが、その時予定していた12月の一時帰国までに終わらせたかったので、メールで催促しました。
遅くなることを考えて、申請時にはあとでフォローできるよう担当者の名前とメールアドレスを聞いておきましょう。

郵送で会社の住所にTax Clearance Letterが届いたのですが、なんと会社を通して毎月税金を収めているにもかかわらず、3000リンギット支払う必要があるという内容で驚きました。

メールで問い合わせても返信がなかったので、Tax Officeに行って聞くと、11月末時点での支払い金額が決定するのを待ってから相殺する旨の説明がありました。

Letterに書いてあって見落としているのか、書かれていなかったのか不明ですが、安心しました。そして、あとで11月になると払い戻しがあることが分かりました。

こういう勝手が分からないとびっくりしてしまうことがあるので、万が一請求が来ても、慌てて支払わず、まずは確認するのがおすすめです。 

キャンセルの方法は2種類ある

退職元がビザをキャンセルし、転職先がビザを申請する部分は、退職先のビザの発行元によって進め方が異なります。

退職先のビザ発行元がESD(Expatriate Services Division),MDECなどがあり、MDECの場合はオンラインでのキャンセル後にパスポート原本に追記するPhysical Cancelを行う2段階となります。

MDECの企業からMDECへの企業への転職の場合は、退職元がオンラインキャンセル後に転職先が申請を開始できます。このため申請から承認までの時間が短縮できます。

ESDの企業のビザの場合、オンラインキャンセルはなくPhysical Cancelのみとなります。

退職元MDECESD
キャンセル方法Online CancelPhysical Cancel
アポイントの必要性なしあり


オンラインキャンセルができないので、キャンセルが完了するまでは、転職先は申請を開始できません。

さらに、ESDのビザキャンセルはアポをとってオフィスに向かう必要があります。

私がキャンセルをお願いした時は数週間後までエージェントがアポを取ることができず、転職先の申請開始が思っていたより遅くなりました。

発行元がESDなどでオンラインキャンセルができない場合、早めにアポをとることをおすすめします。

当ブログでは、他にもマレーシア生活・海外生活に役立つ記事を掲載しています。

転職先のビザ申請に必要な書類

私の場合、MDEC経由での申請でしたが、以下の書類を提出しました。

  • 大学の卒業証明書
  • パスポート全ページのスキャン
  • 英文履歴書(resume)
  • BE Form(退職元HRからもらう)
  • 退職元からのリリースレター(日付はビザキャンセルの日)
  • 証明写真

大学の卒業証明書はスキャンデータで大丈夫です。最新何ヶ月でないといけない、など指定はありませんでした。マレーシアの初めての就職のときに日本で取り寄せたものがあれば、そのスキャンデータでも大丈夫です。

スペシャルパスについて

退職元のビザの期限が迫っていて、転職先のビザ承認までに間に合わない場合、スペシャルパスが発行されることがあるそうです。

転職先の会社によると、ビザ申請を開始していることが証明できる場合は、スペシャルパスは不要という話でした。

転職先にスペシャルパスが発行できるか相談すると、スペシャルパスはビザがその時点で承認されている雇用先(私の場合退職元)で転職などで必要な場合に発行できるとのことで、自分たちは対応できないと言われました。
このため、まだ退職元のビザキャンセルが完了していない場合は退職元が発行を行うようです。

退職元に相談すると、転職先が基本は不要ということなら対応しない、という方針でスペシャルパスは発行されませんでした。

会社がスペシャルパスの対応をしてくれない場合は個人でイミグレに行ってスペシャルパスを発行してもらったという話も知人から聞きました。ちなみにコロナ禍で処理が滞っていた時の話です。(ここは私の経験でなく周りから聞いた話です)

もし何かあった時に最終的に責任を取るのは自分。会社に任せていても会社は不法滞在の罰金を払ってくれるかは分かりません。そこで、一度モントキアラにあるイミグレのオフィスまで質問しに行きました。

結果、受けたアドバイスは、スペシャルパスは会社から申請する必要があるとのことで、個人で申請できませんでした。

ビザは外国で働く人にとって死活問題です。日本人としては、先回りして情報を集めて最悪の事態を避けるように対策したい気持ちになると思います。

ただ、こちらの会社に「周りからこう聞いたんだけど」などと話したり、先のことに不安になっても、あまり相手にされませんでした。マレーシアあるある?文化の違いなのかもしれません。

個人により、また担当するオフィサーにより事情が異なるようですので、都度退職元や転職先と連絡をとりながら進めるしかないようです。

実はその後、内定取り消しというまさかの結末を迎え、ビザの期限ぎりぎりに再度就職活動を体験しました。転職体験談を小説風に分かりやすくまとめたnoteを公開中です。

マレーシア就職でのビザのキャンセルまとめ

  • マレーシアでの就労ビザEmployment Passは、転職したら切り替えが必要
  • マレーシアから出国しない場合リリースレターが必要
  • マレーシアから出国する場合タックスクリアランスをする
  • 退職元のビザはオンラインキャンセルできるか確認する
  • 内定から転職先での勤務開始の目安は3,4ヶ月
  • スペシャルパスの必要性はケースによる

読んで頂いたみなさんのビザがスムーズに行きますように。

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この記事を書いた人
みにさき

大学生まで海外に出たことがない、世間知らずな一人娘。

オーストラリアのパースにワーキングホリデーに行き、住み込みベビーシッターなど全くの英語環境で悪戦苦闘しながらも1年滞在。
帰国後に受けたTOEICのスコアは渡航前より300アップ。

その後は日本で英語を使用する仕事を軸に、メーカーから接客業、派遣社員からフリーランスまで幅広い仕事を経験する。

再度海外に住みたい思いが強くなり、海外就職を決意し、マレーシアへ移住。

現在はフルリモートの外資系企業で働きながら、海外就職や女性のキャリアについてブログやSNSで発信中。

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