マレーシアで、フィンテック企業”Funding Bee“を経営する稲田史子さん。日本の金融機関でキャリアを積んだ後、自立支援と金融という2つの関心が重なる分野としてマイクロファイナンスに出会いました。
専門性を深めるためにイギリスで学び、バングラデシュで実務経験を重ねながら、後のビジネスパートナーと出会います。
そして2019年、それまでの経験を背景に、マレーシアで事業を立ち上げました。
Funding Beeの運営元Bee Informatica株式会社 日本法人ウェブサイト
事業は一歩ずつ成長し、7年という時間をかけて、史子さんはようやく一定の手応えを感じられる段階に入りました。
現場では日々の意思決定と対応に追われながらも、これまで積み重ねてきた取り組みが形になり始めています。
その一方で、史子さんの中には、長い間手をつけられずにいた課題がありました。
「広報」や「発信」です。
忙しさの中で、語られないまま残っていたもの

自分たちが何を大切にし、どんな考えで事業を続けてきたのかを、外に向けて十分に語れていない。
史子さんは、こう感じていました。
広報の重要性は理解していましたが、経営者としての優先順位は常に目の前の業務。
記事を作るには時間がかかる。
そう考えるほど、発信は後回しになっていきます。
文章を書くことに慣れている人に任せたい。
そう思いながらも、なかなか具体的な一歩を踏み出せずにいました。
Funding Beeの2025年の活動の振り返り記事
短時間でも、考えが言葉になる体験

そんな中でモニターという軽い位置づけで、記事制作プロジェクトをスタートしました。
しかし、実際にやり取りを始めると、その印象は大きく変わったと史子さんは感じています。
忙しい合間を縫った短いミーティングの中でも、要点を押さえた質問が投げかけられ、史子さん自身の考えや経験が整理されていきました。
なぜ起業したのか。なぜこの分野を選んだのか。日常的に説明している内容であっても、問い直されることで、自分の中で再構築されていく。
そんな感覚があったそうです。
話した内容は、読者に届くストーリーとしてまとめられていきました。
経験に裏打ちされたスキルと高い共感力を感じています。
史子さんは感想をこう語りました。
史子さんの起業までの道のりについての日本語記事


「読む側」になって生まれた、小さな変化

記事が定期的に公開されるようになると、史子さんの中に意外な変化が生まれます。
ブログを見るのが楽しみになってきた。
自分の歩んできた道や考えが、第三者の視点を通して言葉になっている。
それを読むことで、史子さんは「事業を少し引いた目で見られるようになった」そう。そして、これから確実に広がっていくという期待もあります。
今後はSEOリサーチをもとに、検索される仕組みも取り入れていく予定です。
発信が、ようやく経営の一部として動き始めました。
資金調達の苦労についてのブログ記事
国籍ではなく、積み重ねてきたものを見る

実は、モニターを提案した当時は日本語でのブログを執筆予定でした。しかし、史子さんが実際に任せたのは英語記事をマレーシアにむけて発信すること。
「なぜ、日本人である彼女(みにさき)に英語の記事を任せているのか」
この問いに対し、 史子さんが重視しているのは、国籍ではありません。
「スキルと意志があり、やりたいことが明確であるかどうか」です。
みにさきさんはマーケティングが好きで、スタートアップに挑戦し、ライティングを学び続けてきた。出会ってから7年間の関係性の中で、そうした積み重ねを見てきたことが、信頼につながっています。
自分自身もヘルプが必要な状況でした。だから、この関係は自然にwin-winだったのです。
と、史子さんは振り返ります。
関連書籍:みにさきと史子さんをモデルとしたフィクションストーリー(電子書籍)
起業を目指す人へのメッセージ

最後に、起業を考えている人へのアドバイスを尋ねると、史子さんはこう語ります。
『これが自分の天命だ』と思える仕事を見つけてから起業したほうがいい。
起業初期は、多くの場合、数年間は思うように売上が立ちません。それでも続けられた理由は明確でした。 マイクロファイナンスという分野が、心から好きだったからです。
多少の苦労があっても、やり遂げたいと思えるテーマに出会ってから起業する。その順番が大事です。
これまで積み上げてきた事業の背景が、いま、ようやく言葉として整理され始めています。
そのプロセス自体が、次の成長につながろうとしています。
Funding Bee公式ブログ(英語)更新継続中
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